周辺の見どころ
奥出雲町追谷地区には、棚田の広がりの中にたたら製鉄の遺構が今も残っています。
スサノオノミコトが降り立ったとされる船通山を仰ぎ、「たたら源流米」が穫れる恵み豊かな里です。この歴史と自然が調和する美しい景観を生み出すのに大きな功績を残したのが鉄師「卜藏家」でした。
卜藏家は松江藩の五大鉄師(田部、絲原、櫻井、杠、卜藏)の一人として仁多郡竹崎村を本拠地にして鈩操業を行っていました。明和5年(1768年)に原炉は操業を始めてから途中操業休止期間を挟んで大正期一斉廃業まで操業されました。
鉄師卜藏家とともに歴史を歩んだ追谷集落は、大規模に鉄穴流しが行われたことがよく理解できる景観となっています。
綿内公園展望台
追谷の景色を眺望できる展望台です。
年2回開催されている「たたらの灯り」ライトアップなど季節ごとの景色が楽しめます。
卜藏庭園
江戸時代(元禄年間頃)に作庭された江戸初期の意匠を残す池泉鑑賞式庭園です。日本の著名な庭園を紹介する図である日本庭園史体系にも紹介されている名庭で、船通山を借景とした鳥上滝を意匠しているところに特徴があります。
ご神木 カツラの木
奥出雲地域でもっとも古い樹齢300年のカツラの木。鉄の神様金屋子神が宿るとされるカツラの木は赤く芽吹き、その後、緑色、黄色へと葉の色が変化します。新芽が赤く染まるのは、たたら製鉄の火入れにかかる日数と同じ三日三晩だと言われています。赤く燃えるように天へ向かって伸びる新芽はたたらの赤い炎をイメージさせ、製鉄のご神木として保護されてきました。我が国の自然崇拝の文化と、人と自然の共生の精神を垣間見ることができるたたら製鉄のシンボル的存在です。
金屋子神社跡
原鈩操業に伴い勧請された金屋子神社。現在は跡地のみ残っていますが、石段の作りは非常に精緻な作りとなっています。また、社は比田の金屋子民族伝承館に展示され、保存管理されています。
鉄師卜藏家の墓所
鉄師卜藏家累代の豪華な江戸時代からの墓石が、たたら製鉄で隆盛を誇った往時を彷彿とさせます。またここは、墓地が所在していたことから、鉄穴残丘として残された場所でもあります。
秋葉大権現
卜藏甚兵衛が明和3年(1766)に勧請した秋葉大権現は火伏の神であり、現鈩(名和5年開始)を操業するために、勧請したものと考えられています。また、大呂愛宕権現は明和5年の棟札があり、祭り行事とともに関連性があると指摘されています。
カフェ&ギャラリー 鈩の舎
たたら製鉄を見守ってきた卜藏家の屋敷を改修し、「鉄師 卜藏家 鈩の舎」として復活させました。古民家Cafe及びギャラリーとして営業しております。
月~日 午前11:00~午後14:30(木曜日休み)